日本の一流の大学で優秀な成績を収め、鳴り物入りで現地の大学に職を得た方にお話を伺ったことがあります。
そんな優秀な方でも、話しが通じず嘗てはノイローゼ寸前だったとのことでした。
改めて日本の英語教育の場で正しい発音が教えられていない事を感じずにはいられません。
日本人の英語は何を言っているのか分からないというと「当たり前じゃないか、英語は外国語だよ」「母国語じゃないんだから仕方がない」と思う人もいるでしょう。でもどうでしょう、中国系の人や韓国の人たちは通じる英語を話しますよね。たとえ彼らの母国語のアクセントがあったとしても、少なくともネイティブが理解できる英語を話します。
なぜ中国の人や韓国の人は英語を上手に話せ、語学先進国とまでいわれるようになったのでしょうか。理由は様々あるのでしょうが、大きくは彼らの母国語にあるではないか、と私は考えます。
中国語と韓国語は日本語とどう違うのでしょうか。母音、子音の数、アクセントのつけ方を比べてみました。
ー | 英語 | 中国語 | 韓国語 | 日本語 |
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母音の数 | 10 | 5×4声 | 10 | 5 |
子音の数 | 24 | 25 | 19 | 14 |
(参考:中国語は中国で使われている教科書より、韓国語はインターネットより)
(日本語の子音の14はローマ字表の14行から母音を除いた音)
この数字は厳密とはいえないかもしれませんが、少なくとも中国語、韓国語、英語ともに母音、子音の数は日本語より多いと分かります。
英語も中国語も母音にアクセントをつけられますが、日本語は母音にアクセントをつけることができません。なぜなら日本語は母音と子音をつけて1音として発音しているからです。
中国の知人に、中国で使っている小学校1年生の教科書を読んでもらいました。といっても、書かれているのはアルファベットの小文字ばかり。漢字の国の教科書に漢字がひとつもないのです! びっくりしました。表紙を見直しても、間違いなく中国の教科書。実はそのアルファベットは漢字のためのフリガナ用の記号だったのです。ひとつひとつ発音してもらうと、中国語の子音は英語の子音の音とまったく同じ音といってよいほど似ていることに二度驚きました。英語の子音と中国語の子音は数も音もほぼ同じ、アルファベット26文字のうち実に25文字、vを除いた25文字が漢字のフリガナとして使われていました。
中国語や韓国語は、母国語に母音も子音も似通った音が多く存在し、幼児の頃から微妙な音を聞き分け話す能力が鍛えられたのではないでしょうか。それに比べて日本語の母音はたったの5個です。微妙な音を聞き分ける必要が無かったために、耳はサボって微妙な音を聞き分ける能力が育たなかったのでは、と想像します。
特に中国語は音もアクセントも驚くほど英語に似ており、なるほど中国系の人がネイティブに通じる英会話に向いている理由が分かります。日本人が日本語風に英語を話しても正しい音にアクセントをつけられない事を考えると羨ましいばかりです。
そして、こうして中国語、韓国語、英語を比較してみると、日本語という独特な音で話す日本人には『日本人向けの英語の音習得法』が必要だという答えが浮かび上がってくるのです。
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